塩害・耐油性にも対応したプレキャスト製品

　写真１は、石油配管用の蓋付ボックスカルバートです。北海道某所での臨海道路湾岸線建設に伴い、海上用配管の一部を新設道路の海側へ移設するため、取り外し可能な蓋付ボックスカルバートを新設した工事です。

　設計時に場所打ボックスとの比較検討を行った結果、工期短縮、配管の設置・維持管理の容易さ、労働力不足の解消、といった顧客のニーズに対応できることから、当社のボックスカルバートが採用されました。
　本工事をプレキャスト製品にしたことで、工期を1/3に（約5か月間）短縮することに成功しています。

　本工事は石油配管用とする必要があったため、設計時点からシール材の配慮をする必要がありました。 石油の漏洩を懸念して、シール材には耐油性を付与したものを採用することにしましたが、既存製品には無かったため、化学会社の協力を得てニトリル（NBR）発泡ゴムを開発し、使用しております。

　こちらは蓋付ボックスカルバートの布設状況です。蓋付ボックスカルバートは中に配管を設置します。従って先にU形のカルバート本体を設置することで、配管作業を効率的に進めることが可能となります。 また、塩害の影響を懸念し鉄筋の最小かぶりも最適となるよう考慮して設計しております。

　本工事は強度検討実施の結果、工場製作時に、石油の配管ラック用のプレートを設置しております。 現場では、ボックス内でプレートにラックを一定間隔で配置する作業が発生致します。そのため、あらかじめ防錆対策を施し、現場に納入しました。

【現場概要】
名称　　：某海上配管移設工事
施工場所：北海道某所
発注者　：民間
製品仕様：2900×2500×L1995
工事期間：平成26年～27年